こうして、エル・ファシル星系からイゼルローン要塞に至る「開放回廊」は完成した。だが、それは地理上の有利さと、人格的な結合力とによって促成されたものであり、歴史の土壌に根を下ろし、葉を茂らせるまでには、少なからぬ風雨を経験しなくてはならないであろうことを、当事者たちは傍観者たちよりはるかに正しくわきまえていた。ただ、この当事者たちには共通の病弊があって、事態が深刻の度を深めるほど、かえって表面的には陽気になるのである。一つには口に出してどう言おうとも、彼らの不敗の司令官を信頼しきっていたからでもあった。
(解説)
どんなビジネスでも順風満帆はない。言われたことをそのままやっていたら、何の問題もなく成功しました、何てビジネスもない。そこで起きたこと全てに対処しきるしかない。問題点が現れたら、都度解決していくのだ。
新しいことを始めて、新しいやり方をしてみて、しっくりくるまでには、数多くの小さな失敗は訪れる。小さな失敗があったとしても、最終的な目標の建て方が間違っていたわけではない。
仮に、台風が来て稲が全てダメになった、あるいは稲を泥棒に盗まれた。イナゴの大群が来て使い物にならなくなったとしても、こんなところに稲を埋めるのが間違っているとか、そもそも稲なんて埋めるのが間違っているとは誰も言わないだろう。台風やイナゴは運が悪いとしか言いようがないが、泥棒ならば防犯システムで防ぎようはある。
そうはいっても、色々なトラブルが起きたときには、誰かを恨みたくなる。怨んで済むなら怨めばいいし、不平不満を言って解決すればそれでもいいが、怨んだだけで、不平不満を言っただけで解決できたトラブルはない。
とにかく全員が前向きに、トラブルを乗り越えていく姿勢こそが大事である。組織を前向きに、つまり陽気な体質にするのは、経営者次第である。経営者が常に人のせいにしているようではダメだ。景気が悪いのは政府のせいだ、物が売れないのは営業が悪い等。他人のせいにする経営者の下に働くものもまた、自分が上手くいかないことを他人のせいにする。経営者が他人のせいにしているのが、巡り巡って、自分のせいにされるだけである。
部下から信頼される経営者になるには、部下を信頼しなければならないし、何があっても自ら乗り越える気持ちを経営者が持たなければならない。そうすれば、部下は信頼してついてくるのだ。みんなで力を合わせれば、解決できないことはない。解決できないときには、組織が一つにまとまっていないときである。
(教訓)
〇どんなビジネスでも、順風満帆なものはない。トラブルだらけであり、それを一つ一つ筒解決していくことが大切だ。
〇経営者はビジネスが成功しないのを他人のせいにしてはならない。自ら解決せよ。
〇組織が一丸となって、解決できないことはない。ある問題点を解決できなかったとしたら組織が一丸となっていないからである。