この席上、ヤンは疲労して、グラス一杯のブランデーと浴槽いっぱいの湯とをひたすら欲しているように見えるが、これは事珍しい風景ではない。他人には不可能事としか思えない奇策を考案するとき、彼は知性と活力に満ちた創造的芸術家の風格を見せる時もあるが、それが実行され、結果を生じた後は、老いた猟犬のように怠惰な様子になるのが常だった。
「戦いが終わると、彼は、自分が戦いを嫌っていたことを思い出して、やや不機嫌になる」とは、ユリアン・ミンツの述懐するところだが・・・・フレデリカに至っては、・・・怠惰を美徳の一種に数えかねない、・・・
(解説)
疲れると、アルコールを欲することがある。アルコールは百薬の長と言う言葉もあるくらいなので、適量を飲む分には悪くはない。逆に度が過ぎると万病の素になってしまう。アルコールは適量の場合、精神的なリラックスや疲労回復の効果がある。アルコールは血管を拡張させて血行を良くすることで、利尿効果もあり、体に溜まった老廃物を排出する。そのために疲労回復に一定の効果があるといわれている。そうは言っても、寝る前に飲むと、睡眠の質が悪くなって、眠りが浅くなる。寝酒は厳禁である。睡眠は脳疲労を回復させる唯一の方法と言っても良い。熟睡できないと、頭の冴えがなくなる。
血行を良くするためには、風呂に入るのも良い。一人暮らしをすると、どうしてもシャワーが多くなるが、定期的に風呂に入っておきたい。こちらも、血液の巡りを良くすることで、疲労物質の排泄を促す効果がある。それにアルコールよりは健康に良さそうだ。
さて、創造的芸術家とは、音楽、絵画、デザイン、彫刻家、等のクリエイター事を指して言いそうだが、起業家も創造的芸術家に属する。何故ならば、ビジネスモデル、つまり儲ける仕組みの構築もまさに創造的芸術である。
結果を出した後は、思いっきり怠惰になろう。それだけ心身ともに疲労困憊しているはずである。休憩していると、傍から見れば怠けているように思われる場合もあるが、そう思っている奴は思わせておくと良い。仕事の後の怠惰は、エネルギーの回復と補給の時間である。もちろん単なる怠惰は大したメリットはないが。その意味で、怠惰は美徳と言えなくもない。
(教訓)
〇適度なアルコールと入浴は疲労回復に良い。
〇起業家も創造的芸術家に属する。
〇仕事の後の怠惰は美徳である。エネルギーの回復と補給の重要な時間だ。