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成功とはクライアントにとっての最終防波堤になれるかどうかがポイント

「とてもいい子ですわね」
「あれがいるもので、予は身辺に不自由せずに済む。いい医者になるだろう。例え技術が完璧でなくとも患者が喜んで生命を託すような・・・」

重要なことは、常に状況を作る立場に身を置き、敵に主導権を与えないことだ。「皇帝の本領は果断速行にある。座して変化を待つのは、考えてみれば皇帝にふさわしくない」

(解説)
ラインハルトの看病をしている少年エミールについて、ヒルダとラインハルトが話をしている。

医者は技術もさることながら、心だと思う。もちろん最低限の技術は必要である。外科医は間違いなくそうだろう。しかし技術だけに重きを置いて、患者をモノとしか扱わないような態度だったらどうだろうか。そんな人に命をゆだねられるだろうか。医者とて万能ではない。一番重要なことは、この先生に診てもらえたから、最終的にはどうなっても仕方がないと思ってもらえるかどうかである。つまり、技術的ではなく気持ち的に医者に命を託すということなのだ。これは医術だけではない。その他のビジネス全般に言える。結果が出なかったとしても、この会社にお願いしたのだからしょうがないといってもらえるような会社を目指した方が良い。もちろん、クライアントの求める結果は出すべきだと思う。しかし、どんな仕事でも100%望み通りの結果を出すことが不可能な場合だってある。

次に、ロイエンタールのラインハルトに対する想いである。

経営者にも同じようなことが言えるのではないか。環境に対して受動的になってはならない。常に環境に対して働きかけをして、環境を自ら作っていくビジネスをしていかなければ、最終的には景気が良ければ上手くいく、景気が悪ければ上手くいかない、という環境受動的なビジネスになってしまう。もちろん景気が会社の経営に大きな影響を与えることは間違いないし、それを全面的に否定はしきれないことは事実だ。とはいえ、それではビジネスはリスクが高いままである。景気が悪いときは悪いなりに、景気がいいときにはそのビッグウェーブに乗ることを目指せ。他力本願の経営では、いずれ行き詰まる。経営者は「果断速攻、座して変化を待」っていてはならぬ。

(教訓)
〇この会社にやってもらったのだから、最終的には完全に望みがかなわなくても仕方がないと思われる会社を目指せ。
〇経営者は「果断速攻、座して変化を待」っていてはならぬ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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