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役に立つことを見つければ、おのずと事業は上手くいく

「軍人と言っても、色々あるだろう。オペレーターか、俺みたいな陸戦隊員か、それとも工兵か。あいまいなことでは、ヤン提督だって迷惑だろうぜ」
「できれば参謀とか・・・」
「あの人に参謀が必要とは思えんね。あの人より知略に優れた軍人がどこにいる?いるとしたら帝国のローエングラム候ぐらいだろう。お前さんはヤン提督を知略の面で支えてやれるつもりかね」
皮肉を言う相手が子供だからと言って、この人は容赦しないのだ。僕は反射的に答えた。
「でも、大脳にだって小脳が必要でしょう」
正しい例えだったかどうかはわからないが、シェーンコップ准将は面白そうに僕を見て笑った。僕が言ったことの内容より、とにかく反論したという事実の方を気に入ったのだと思う。
「なるほど、小脳は運動神経を司るそうだしな」

(解説)
ユリアンが軍人になりたいといっているので、より具体的にシェーンコップが尋ねている。

医者になりたい、と思っても、内科、外科、整形外科、眼科、耳鼻科、精神科と色々と専門分野に分かれている。弁護士だって、どこの分野に強い、つまり会社法なのか、離婚なのか、労働法なのか、こちらも色々と分野が分かれている。これは資格と言う一手段ではあるが、どんなところでお役に立てるのか、そしてそのお役に立てるところでもっと専門性を高めていき、さらに他社との差別化を図っていく必要があり、このような考え方は、別に医者や弁護士に留まるまでもない。

ユリアンはシェーンコップに参謀になりたいと言ったら、ヤンには参謀は必要ないというわけだ。離婚に強いベテラン弁護士に対して、司法試験を受かったばかりの弁護士が、本人の離婚に関するサービスをベテラン弁護士相手に提供するようなものである。間に合ってますとしか言いようがない。

そこで、ユリアンは咄嗟に大脳にも小脳が必要だと反応する。ちなみに脳は、大脳、小脳、脳幹に分かれ、大脳は情報を識別してそれに応じた運動を命じ、記憶や情動、認知と言う高度の精神作用を担当している。次に小脳は、筋や腱、関節からの深部感覚や内耳からの平衡感覚、大脳皮質からの情報を受けて、運動の強さや力の入れ具合、バランスなどを計算して調節するという、運動調節機能を担当している。脳幹は、呼吸、循環など生命活動の基本的な営みを支配すると供に、知覚情報を大脳皮質に中継したり、末梢に向かう運動指令を中継する機能を担当している。それぞれ役割が異なる。

それでシェーンコップは運動機能を担当するのか、ということで銃や剣等の格闘技、そして戦闘機の乗り方を教えることになった。どんな隙間でも自分が役に立つことを見つけて、仕事(事業)をしよう。活路が見いだせる。その役に立つことを提供している人が少なければ少ないほどなおよし。

(教訓)
〇自分が何の役に立つのかを考えて、特色を持とう。
〇どんな隙間でも、役に立つことを探せば、事業の活路が見いだせる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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