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経営者へのお願いの仕方

柊館の仮の皇宮である。名の由来は、門の両側に植えられた柊の樹で、玄関の扉に藻柊の紋章が掘りつけられている。この紋章を、「黄金獅子」に変えるという提案は、宮内省からなされたが、どうせ仮の住居であるとして、ラインハルトは放置しておいたのであった。それらの事情について、アンネローゼがヒルダに笑いながら語ったことがある。

これから家を改造しようなどいったら、ラインハルトは、余計なことをしなくてもいい、と答えるでしょう。改造してからそのことを告げたら、そうか、の一言で済みますよ。ラインハルトは、光年以下の単位の出来事には興味がないのですから。

(解説)
経営者へのお願いの仕方のヒントがここにある。経営者は考えなければならないことが多いため、細かいことは気にしていられない。それぞれ権限を与えているのだから、その権限内で好き勝手にやってくれ、と言うのが経営者の本音である。各部署の細かいことまで気にしていたら、どれほど神経を使っても足りない。

そこでアンネローゼの言葉である。家を改造しようといえば余計なことをしなくていいというが、改造してから伝えれば、そうかの一言で済む。

売り上げが数千億円、と言う会社の経営者であれば、数百万円や数千万円のことにいちいち干渉はしない。数億円まではそうかもしれない。だから、モノによっては経営者の意思決定や許可を一々仰ぐ必要はない。もちろんのこと、それが権限を越えているよう話であれば別である。つまりその役職の予算の権限が年間3千万円までであり、3千万円を超過する意思決定というように、社内規則規則を守らないということがあってはならない。そのときは、金額の代償ではなく、経営者は規則を守らないという事に注意しなければならないことは言うまでもない。

あと、権限を超えること等、どうしても経営者の判断を仰がなければならない場合には、きちんと、目的、その手段、何故そうするに至ったか、後は根拠などをきちんとまとめて、経営者に説明せよ。手ぶらでは、意思決定をお願いするな。

(教訓)
〇経営者は認めた権限内で部下に自由に判断させよ。
〇部下も経営者に対して、細かいことについて一々判断を仰ぐな。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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