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どれだけ会社に貢献しているかを示せ

「・・・ラインハルト・フォン・ローエングラムは、深刻な意味で、民主共和主義にとっての敵対者である。これは、彼が残忍で愚劣な支配者であるからではなく、まさにその反対の存在だからである。民主共和主義の対局に立つ思想は、救世主待望思想である。人民には、社会を改革し不正をただし矛盾を解決する能力がないので、超絶した偉人の搭乗を待つ、という考え方だ。自分たちは何もしなくとも、いつか誰が、伝説の英雄が現れて悪竜を対峙していくれる、という他者依存の精神は、アーレ・ハイネセンが唱えた『自由・自主・自立・自尊』の精神と、決して相容れぬものである。ところが、ゴールデンバウム王朝の末期にあっては、この他者依存が、ほぼ完全な形で、現実のものとなってしまうのだ。実体化した救世主伝説、それがラインハルト・フォン・ローエングラムであった。彼は腐敗したゴールデンバウム王朝を打倒し、富と特権を独占していた門閥貴族を一掃し、多くの社会政策を実行した。それが非民主的な手段によるものであったことは、この際、問題にならない。帝国の民衆は、民主的な手続きなど欲していなかったからである。かくして、帝国の民衆は、民主政治の結果だけを、自らの努力も覚醒もなしに与えられたのでだった・・・」

(解説)
民主主義に対局する思想は、全体主義とか専制主義かと思っていたら、田中先生のご指摘で目が覚めた。救世主待望思想とのこと。民主主義においても、トップに何でも解決してほしいと思う思想なのだろう。だから、日本が民主主義と言われても違和感しかない。民意が反映されているとは全く感じられないからだ。

そして国民は政治家、そして官僚に全て自分たちの行く末をゆだねている。特に不利益を被らない限りは文句を言わず、不利益を被るようになって初めて怒りだす。しかし、結局のところ、そんな不利益はいつの間にか忘れて、いつまでたっても政治家や官僚に好き勝手にやられてしまったままだ。この国が民主主義なんて、笑わせるなだ。この国に一度たりとも本当の民主主義なんて訪れたことがない、ことにそろそろ気づいたらどうなんだ、と怒りたくもなるが、まあ、ここは政治を語る場所ではない。

一般サラリーマンだって、結局のところ、経営者がしっかりやってくれればそれでいい、という発想に至っていないか。会社がこけたら経営者この野郎である。給料をもらえればまったく文句は言わないし、給料がもらえなくなったら労基に駆け込めばいい、その前に、お前はどの程度会社に貢献したんだという話だ。結局のところ、会社への依存体質も、政治への依存体質も全く変わらない。自分で何とかしようと思っていない。文句を言うばかり。そうして、サラリーマンは、いつまでも受動的にしか生きられないのだろう。

(教訓)
〇受動的に生きるな。主体的に生きろ。
〇文句ばかり言うな。まずお前が会社のために稼げ。会社に何の利益ももたらさない奴こそがすぐに労基に駆け込む。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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