「グリューネワルト伯爵夫人の弟?それなら出世するのも当然だ」
そのような納得のされ方が、ラインハルトにとっては不本意でもあり不愉快でもある。・・・
ラインハルトはまだ17歳で、感情はしばしば理性の制御を超えた。
その点はキルヒアイスも同様なのだが、熱い湯よりも熱い湯に対しては水に等しくなる道理であるし、彼はラインハルトより意識して感情の沸点を高くしていた。
(解説)
すぐにカッとする経営者がいる。彼らは、自分が経験したり考えたりすることが世の中になってしまっている。自分=世界なのだ。そうなると、自分の考えに何故批判されるのかがわからない。自分と相手の思考や行動が同じでないことが疑問になる。
あとは、要するにわがままなだけだが、自分の計画通りに物事を進めることが基本になってしまう。自分が世界だからだ。自分の中で勝手に完璧主義なのである。計画が崩れ、スムーズに物事が進まないとストレスになってくる。ただ、時間に追われて、スムーズに進まないと、誰でもいらいらはしてくることは事実としてある。
感情人間は、そもそもプライドが高く、他人の意見を聞き入れない。自分の意見こそが正しく、周囲には自分以上の人はいないと心の底では思っている。どちらかというと他人の意見よりは、ネットや本の情報を信じる。但し、自分がそうだと思い込んでいる、そうだと思いたいという方が近いが、そのような考え方を持っている人物の発言は鵜呑みにする傾向にある。
このような人間は相手の立場に立って物事を考えることが苦手で、自分が劣勢になると感情を爆発させて押し切る。そうなると、もうだれも止められない。また、短期的な性格というのもある。自分の意見が通らないというだけで切れてしまう。まあ、こういう人間には触らぬ神に祟りなし、という諺でも思い浮かべ、あまり深くかかわらないのが肝要である。
そうは言っても感情的な人間にもメリットはある。裏表も、腹黒さもない。そして何よりも行動力に優れているところがある。論理的に考えて行動せず、感覚や直感で行動するからである。虎穴に入らずんば虎子を得ず、を地でいっている。だから破天荒な人も多ければ、常識では考えられないことをする挑戦者でもあるのだ。
こういう人間に出会ったときは、相手が感情的に意見を言っているときは、そうですよね、と相槌を打って、受け流すのが良い。後は褒めてプライドをくすぐってあげるのも良い。ただ深くかかわるのは面倒くさいからやめておこう。
少なからず、自分が感情的にならないように心がけよう。常に沸点を高くするに限る。何があっても怒らず冷静に。
(教訓)
〇感情的な人間にあったら、相槌を打って、軽く受け流せ。批判するな。
〇適度にプライドをくすぐってその場をやり過ごせ。
〇自らは感情的になるな。常に沸点を高くし、何があっても怒らず冷静に対処せよ。