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肌の合う合わないは重要

「小官はナイトハルト・ミュラーと申します。同盟軍最高の智将たるヤン閣下にお会いできて光栄です」
「とんでもない、こちらこそ・・・」
・・・
「貴官が銀河系の私たちと同じ側に生まれておいでであれば、私はあなたの元へ用兵を学びに伺ったでしょう。そうならなかったことが残念です」
ヤンも自然と柔らかい表情になった。
「恐縮です。私はあなたにこそ、銀河系のこちらに生まれていただきたかった。そうであれば私は今頃家で昼寝をしていられたでしょうに」・・・

「どうだ、私に使えないか。卿は元帥号を授与されたそうだが、私も卿に与えるに帝国元帥の称号をもってしよう・・・」・・・
「身に余る光栄ですが、辞退させていただきます」
「なぜだ?」・・・
「私は恐らく閣下のお役に立てないと思いますので・・・」
「謙遜か?それとも、私は主君として魅力に欠けるといいたいのか」
「そんなことはありません・・・私が帝国に生を受けていれば、閣下のお誘いを受けずとも、進んで閣下の麾下にはせ参じていたことでしょう。ですが、私は帝国人とは違う水を飲んで育ちました。飲み慣れぬ水を飲むと身体を壊す恐れがあると聞きます」

(解説)
もの凄く優秀な人なのだが、その人の下では働けないとか、もの凄く優れた会社なのだが、その会社では働けないというのはよくある。

その人にとって、何が優先されるかの問題でもあるが、中にはお金だけ、と言う人ももちろんいて構わないけれども、組織に属しようというのは、その組織での仕事の内容もさることながら、人間関係の方がウェイトが大きいだろう。例え金のためだとしても、凄く嫌な奴の集団であったら、とてもではないが耐えきれない。社風が合うか合わないかというのは絶対にある。

フィーリングは大事なもので、社内の雰囲気は、直感で選んでしまって十分だ。そこで遠慮していると、メンタル的に病んでしまう。どんなに優れていても「飲み慣れぬ水を飲むと体を壊す」とは、良い例えである。

(教訓)
〇自分に合うかどうかはフィーリングだけで決めてよい。
〇理屈よりも直感の方が優れるときがある。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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