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上司の命令も自分を満足させるようにきちんと吟味せよ

コステア大佐は、彼の敵であるらしい。それはそれとして、収容所に勤務する兵士たちは、収容所全体が敵なのだろうか。
「そいつは兵士たちの判断によるな。彼らが上官に盲従するか、道理に従うか、その選択によって、わしらの命運も左右されるだろうよ」
またしても声のない笑いだった。
「民主主義国の軍隊にあって、兵士たちがどのように危地に身を処するか、わしにはたいそう興味がある・・・」
大佐はわずかに目を細めてヤンを見た。
専制国家の兵士なら、上官のいうなりであろうが、自主と自立を旨とする民主国家の兵士なら、自分で正邪善悪を判断できるのではないか。ケーフェンヒラーは暗にそう言っているのだ。

(解説)
組織にいれば、どうしても上長の命令には絶対服従なのだが、何度も繰り返す通り、日本は民主主義国家であって、我々は民主主義の成員である。その中で、専制国家にも似た会社組織には違和感しか感じない。しかしその上長の命令について、今回は従うとか、今回は従わないとか、そんなことを言う部下であれば、即刻首であろう(但し、労働法上の正当な手続きは必要)。

ケーフェンヒラーの言う通り、専制国家の兵士であれば上官の言うなりは当たり前。自主と自立を旨とする民主国家の成員であれば、自分で正邪善悪の判断ができるはず。

そこで一々、上司のいう事成すことを吟味していたら、身も持たないし、スピード感を欠くことになる。原則上司の命令に従うという事は当然としても、それでもその上司の命令をきちんと吟味して、自分と組織の費用対効果を考えることは必要であろう。ときには法律上の違反を実行させるような理不尽な命令もないではない。そのときにそれに対して、自らの魂を売るのか、どうするのかは、やはり個人の意思にゆだねられるべきであろう。おそらく99%上司のいう事に従っても問題はない(本音は問題ありまくりだが・・・)としても、1%程度は疑問に思ってもいいと思う。

自分に納得のできない指示が多ければ、責任感など吹っ飛ばして、退職した方がいい。そんなことで、自殺に追い込まれるぐらいであれば、生きていた方がいい。日本は幸いにして民主主義国家である。その中の法人(会社あるいは組織)も当然のことながら民主主義国家の成員であり、民主主義を貫徹すべきである。

(教訓)
〇上司のいうことを念のため、吟味した方がいい。
〇どうしても我慢できないときは、責任感など放棄して退職せよ。自殺などするな。
〇民主主義国家たる日本における会社も、民主主義の理念に従うべきである。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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