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経営者は好き嫌いで判断してはならぬ

正確な判断を下すには、豊富で多面的な情報を収集し、それを感情を排除して分析しなくてはならない。最も忌むべきは希望的観測であり、勘と称して思考を停止することだった。

惑星ハイネセンの動乱が、民主共和政治の復活を求める者であるとするならば、イゼルローン共和政府としては、座視するわけにはいかない。・・・

だが、戦うとして、勝算はあるのか。イゼルローンの軍事力をもって、強大な銀河帝国軍に対し、勝利を収めることは、可能なのだろうか。ユリアンが継承したヤンの軍事思想に、玉砕を美化する傾向は、全くなかった。民主共和政治の小さな灯は、掲げ続けることにこそ意味があるのだ。

(解説)
大抵の人は、感情で物事を判断する。つまりそれ好き、嫌いというものだ。ある作家が好きな人であれば、その作家の発言を全面的に好み、逆に嫌いなコメンテーターのことは何を言っても嫌う傾向にある。そうではなくて、自分が考えることと違う発言をした作家がいると、今まで好きだったけど嫌いになった、と考える人もいる。好き嫌いでしか判断しないのだ。

それが全てダメとは言わないが、政治家や経営者のような、人の上に立つ人が好き嫌いで判断していては、世の中の動きを見誤る。上に立つ人は、完全に正確な判断は難しくとも、なるべく正確な判断を行うためには、多くの情報を収集して、感情を解除して分析することが重要だ。感情的に嫌いなことを積極的に情報収集して公平に見なければならない。一番やってはならないことは、希望的観測である。自分はこのようなことが望ましい、と考えて、そちらの考えを正当化する情報のみを積極的に収集しがちだ。よく考えるのがめんどくさくて、ピンと来たといって、勘だと言い放ち、それ以上の情報収集、分析、思考を止めてしまう。

ユリアンの立場で考えるならば、民主共和政治が好きで、専制国家が嫌い、で判断してはダメなのだ。しかも専制国家である銀河帝国と戦って勝てるのかどうかも重要である。

経営者の中には、自分が正しいということで闇雲に突っ走り、お金を集めて、世の中で売れると自分が考えたことにお金をぶっこんで、全てとかしてしまうというバカ奴が少なくない。玉砕を美化してどうするのだ。挑戦して敗れた。というならば、投資家からお金を募らずに、従業員も募らずに、一人で特攻して玉砕せよ。人を巻き込むんじゃない。

会社とは、継続することに意味がある。闇雲に玉砕することにはまったく意味がないのだ。

(教訓)
〇経営者は好き嫌いで物事を判断するな。
〇むやみにリスクを負い、闇雲に玉砕するな。会社は継続してこそ意味がある。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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