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チームはチームとして活躍させよ

ラインハルトは当然のことのように思っているが、人事異動の都度キルヒアイスは不安に限りなく近い感情を味わわされるのだ。もしかしてラインハルトと自分が、異なる部署に配属されるのではないか、という疑念である。・・・
とにかく今回もキルヒアイスはラインハルトと同じ部署で同じ任務に就いている。・・・結局のところ、軍部にとってラインハルトはともかくキルヒアイスの存在が歯牙に欠ける価値もないからこそ、それが許容されているのであろう。ラインハルトが士官である以上、部下を付けねばならず、その任に当たる一個人が存在するなら、両者をセットで動かせばことは済むのであった。

(解説)
馬が合うチームというのは存在する。そのチームの成績が良いため、そのチームを分割して、別のチームを構築して別々の仕事をやらせるというのも良いかもしれないが、阿吽の呼吸で上手くいくチームを分解してしまうと、上手くいかなくなることの方が多い。そのチームを一セットで動かすことをベースとして組織を構築しよう。

当然、そのチームの活躍により、全員出世するようなことがあれば、いつまでもそのチームで動かしているわけにもいかなくなる。そのときは、そのチームが必要なときに再結成できればよいだろう。そのチームに相応しいプロジェクトが生じたとき、あるいは有事の際など。

ある会社でチームで働いていたら、あまりに気の合う仲間だったから、チームごとスピンアウトという事も起きえる。それを何が何でも社内に置こうとはせずに、外注先として活用するなど考えたい。もはや、会社組織はずっといる所でもなく、ずっとかかわる所でもない。

でも一度縁を紡いだからには、その縁を大事にするもしないも、組織次第だし、組織人次第である。退職した人と定期的な連絡を取り合いながら、プロジェクトごとにお願いする試みは増えている。場合によっては、一度、起業したものの、思ったよりもうまくいかずに、改めて再就職というパターンもないではない。

とにかく、お互いにとって円満退社が望ましい。それは元従業員側だけでなく、会社側もである。退職したからには、それを問題視せずに、その独立を応援してやるぐらいの会社でないと、今後発展しない。今の従業員、過去の従業員を線引きするのは非常に古い考え方である。

(教訓)
〇チームは優秀な成績を上げていれば、わざわざ解体して、別のチームにノウハウを提供するという考え方はコストがかかる。
〇一度在籍した従業員も会社資産として活用せよ。独立したときには会社で支援してやるくらいの気概を持て。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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