世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

メンターの存在が人生を豊かにする

「僕は君が考えているような、偉い男ではないよ。ただヤン提督のおそばにいさせてもらって、それでずっと勝利者の側に身を置くことができたんだ。運が良かっただけだよ。」
「でも、まだ18歳で、イゼルローン軍の指揮官をなさっているじゃありませんか。運だけで務まるお仕事じゃないですよ。ぼく、中尉を、いえ、司令官殿を尊敬しています。ほんとうです」
「ありがとう、努力してみるよ」・・・

こうやって、思いというものは受け継がれていくのだろうか。ヤン・ウェンリーの想いを、自分が受け継いだように。全てではないにしても、いや、ほんのわずかだけにしても彼の想いを分かち与えられたように。年長者から年少者へ、先人から後継者へ、想いのたいまつはリレーされていくのだろうか。その火を貴重に思うものは、それを絶やすことなく、次の走者に手渡す責任があるのに違いなかった。

(解説)
憧れの人が身近にいる環境ほど、人生を豊かにするものはない。生まれたときに成熟しきって、尊い存在があったとすれば、それはブッダくらいかもしれない。

「天上天下唯我独尊」と言う言葉をうがった見方をすれば、「ただ私だけが尊い」と見ることができる。実際の意味は、ブッダがそんなことを言うわけがなく。他の人よりも私が貴いではなく、「誰とも代わることのできない人間として、何を加える一つもなく、この命のまままに尊い」という事であって、何も付加しない中で、自分の尊さを発見することが、人生であると説いたわけだ。いつの間にか我々は、いい大学行っただの、いい会社に入っただの、いい資格を持っているだの、たくさんお金を稼いでいるだの、色々を付加していって、自分を尊いことにしている。しかも、他人と比較対象としてだ。今の人類をブッダは嘆いているだろう。

話が逸れたが、生まれながらに優れている人はいないし、ある人を目標にして、少しでもこの人に近づきたいという思いを持てる、実在の人を目標とでき、その人から学べる環境にいる人は幸福だとおもう。

人の人生は有限であり、生物学的に憧れの人が年長者であったならば、いつしか、憧れの人は自分より先に死ぬだろう。自分がその憧れの人の気持ちを受け継ぎ、後世に伝える。思想のリレー、バトンを次に渡せる。これもまた幸せな人生と言えるのではないか。伝えるべきモノが後世にあるのだ。伝える者モノがないものよりも立派だ。その伝えるモノが金銭的価値のある財産でしかないのなら、別にその人が伝える必要もない。その人でしか伝えられないものを持つこと、そして、それを伝えること、これが人生の最大の喜びと言えるのではないだろうか。

確かに事業承継をして会社を伝えれば、金銭的価値に表せるものかもしれないが、金銭的価値ではなくて、会社理念や、価値にできない無形資産こそを後世に伝えたいものである。

(教訓)
〇メンターがいることは、人生を豊かにする。
〇金銭的価値で評価できないモノを、後世に伝えよう。あなたにしか伝えられないものを誰かに伝えることが人生の最大の喜びと言える。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする