「ラインハルトさま、どうか焦らないでください。短距離走の速度で、長距離を駆け抜けることはできません」
(解説)
キルヒアイスのラインハルトに対する言葉である。もっとのんびりしましょう、という意味ではなく、ラインハルトの「生き急ぎ」を諫めたのである。
行き急ぎは死に急ぐよりはよい。死に急ぐ場合は、ゴールが死であることが前提になっている。銀英伝のラストは、ラインハルトは太く短く、生命エネルギーを使い果たしてしまったわけだが、それはさておき。行き急ぐとはどんな感じか。
行き急ぐ人は、太く短く生きようという価値観の持ち主である。人生を意味あるものにしようと必死になり、いつも焦っている状況に自らを置いている。外資系金融業界に努め、35までに億万長者になり、あとはのんびりと暮らす、という人は、その間まではがむしゃらな感じだが、そう思って計画的に結果を出せた人は、どれくらいいるだろうか。
他人に評価されたいという欲求が強い人も行き急いでいる。確かに、自分を褒めても、あんまりうれしくない。人から評価された方が、うれしいのが現実だ。そして仕事の成功というものが、他人から認められる最大の方法である。それで仕事に無我夢中になってしまう。
そして、一度目標を立てると、それを達成するために夢中になってしまう者もいる。馬のように、前方しか見えなくなる。
生き急いでいるから、絶対に成功する保証はないが、成功者の中には生き急いでいる者が少なくない。仕事に夢中になっているわけだから、成功の確率は上がる。そして、長い人生設計を立てるよりも、まずは行動が先に立つ。動いてから、動きながら修正していくという方法を取る。物事先に動いた方が、成功に近づくことも多い。逆に時代が早すぎて、残念な結果になることもあるが。
また今がチャンスと思えば、即動く。無駄な時間を過ごせないと思えば、今、一番自分にとってふさわしいことに手を出すことも多い。自分に相応しいことをやるわけだから、成功の確率も高くなる。
(教訓)
〇生き急ぎの特徴とは、太く短く生きようとする、他人から早く評価されたいと思う、そして目標を決めたら、その達成に無我夢中になる。
〇生き急ぎは、行動をしてから修正していく、無駄な時間を過ごせないから、自分に相応しいことをやろうとする。だから成功者が多い。