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失敗や挫折なんてものは、人生経験の一つでしかない

なあ、キルヒアイス」
「何でしょう、ラインハルトさま」
・・・
「あの時の件ですが?先日、叛乱軍の罠に落ちかけたときの」
・・・
「あれはおごっていたかもしれん。戦士でなく、猟人の気分になっていたようだ。相手にも武器があり、戦意があり、用兵技術があるのを忘れていた。それにしても、叛乱軍にもよくできる奴がいるらしいな。完全の俺の動きを読まれていた」
・・・
「ラインハルトさま、挫折なさったわけではなく、ご経験を積まれたのです。ラインハルトさまに足りないのはご経験だけ、それを一つお増やしになったのですから、結構なことではありませんか」
・・・
「そうだな、そう思うことにしよう。済んだことを悔やむのは、俺らしくないものな」

(解説)
ここでいう叛乱軍とは、同盟側のことであるが、その叛乱軍のできる奴とはヤン・ウェンリーのことだ。コンピューターゲームと異なって、自分のシナリオ通りには進まないのが現実の社会である。動物も人間ほどの思考力はないから、比較的にこちらの予想通りの動きをしがちだ。猟人であれば、それでいい。しかし人間は違う。予想通りの動きしかしない奴もいるが、こちらの思い通りには動かないのがほとんどだ。逆にこちらを嵌めてこようとする姑息な奴もいなくはない。そうなると、動きの予想合戦になる。勝負事は全てそうだ。

人間、失敗はある。それを「挫折」という言い方ではなく、キルヒアイスがラインハルトを諭したように、「経験」と言い換えたい。

挫折とは、失敗をした後で、改善もせず、諦めてしまうことである。そうではなくて、その失敗を生かして、改善をし、再びトライするのであれば、それは単なる経験にすぎないのだ。どんなに成功をしている人でも、数多くの失敗を重ね、都度反省し、改善しているものだ。そして二度と同じ過ちを犯さないだけの話だ。失敗などしていない、いくつもの失敗例を発見しただけ、と思えばよろしい。挑戦し続ける限り、挫折はない。挑戦をしなくなることが挫折なのである。

(教訓)
〇失敗は経験である。
〇挫折とは、その失敗によって改善せず、そのまま諦めてしまうこと。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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