「キルヒアイス、俺を褒めてくれ。まったく、この二週間、俺はよく我慢している!一生の忍耐力をここで使い果たしてしまいそうだ」
「今少しの辛抱です」・・・
「ラインハルト様のお手で彼我の形勢が逆転すれば、いずれが正しかったか、どんな愚か者にもわかります。そのとき、思い切り勝ち誇っておやりなさい」・・・
「そうしよう。だがキルヒアイス、いざ俺が勝ち誇ると、お前は言うのさ。彼らは自分たちの誤りを知って恥じているのだから赦してお上げください、とな」
(解説)
世の中、実績ばかりにしか見ない人間が多い。誰しもそんな未来が見通せる人間ばかりではないし、実績重視にならざるを得ない。将来のリスクまでかぶれない。それは、投資家も経営者も同じことである。
起業家は将来の夢を語り、投資家からお金を募る。今まで見たことのない事業であれば、自分出したお金が返ってくるかどうかわからないのだから、どうしても二の足を踏む。
新規事業をやりたがる従業員は、その事業の魅力を語り、経営者を説得するが、失敗したら溶けてなくなるのは経営者自らのお金だ、何もしなければ、そのままで済む。
まず起業家がしなければいけないのは、小さくてもいいから実績を積み上げることだ。新規事業の従業員がやらなければならないのは、副業でもいいからその新規事業を自分のお金で始めることだ。分からない奴には説明するだけ時間の無駄である。
小さくてもいいから実績が目に見えるようになれば、どんなバカにだってわかる。投資してくれないから、新規事業にお金を出してくれないからバカだといっても始まらない。人間どんなバカでも儲かることがわかれば金を出す。実績を上げた後で勝ち誇れば済む話。
そうして、実績が上がれば、みんな金を出したくて寄ってくる。その時は「お前バカだなあ」と言う気持ちで許してあげて、もっとたくさんのお金を要求すればいいだけの話だ。その方がより強気で行ける。
(教訓)
〇実績しか見ない奴に対して話をしてても無駄なだけだ、小さくてもいいから実績を出せ。
〇実績を見せればバカが寄ってくる。その時は許してやれ。そしてもっと金を請求しろ。