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時間は状況を変える

「ユリアン君、待つ時間はどのくらいだとヤン提督はおっしゃっていた?」
「はい、五、六年はかかるだろう、と」
「五、六年か。そうだな、それくらいの時間は必要だろう。それくらい経てば、ローエングラム王朝にも隙ができるかもしれないな」・・・

「これは予測と言うより願望になるが、何も起きて欲しくないものだ。現在まで事が大きすぎたからな。それに我々としても準備すべきことが残っている。いたずらに帝国に反旗を翻しても、一日のあせりが二日の退歩につながることを思えば・・・」

メルカッツは能弁ではなかったが、それだけに一語一語がユリアンの記憶集に深い印象を刻み込んだ。
「メモなんて取る必要はないんだ」
と、ヤンはユリアンに語ったことがある。
「忘れるという事は、当人にとって重要でない、ということなんだ。世の中には、いやでも覚えていることと忘れて構わないことしかない。だからメモなんていらない」

(解説)
第一段落は、メルカッツがヤンの考えをユリアンに尋ねたシーンである。今はまるで敵わない相手でも、時機が立てば、立場が変わる可能性もある。あるビジネスが5年たつと衰退するという事はよくある。業態は5年で変わると良く言う。

第二段落は、メルカッツがユリアンに対して述べるシーンである。「一日の焦りが二日の退歩につながる」。焦ってはならない。焦るとミスを犯すし、判断を誤り余計悪い方向に進むこともある。焦るぐらいなら、動かない方がいい。焦るな。だが速く動け。

第三段落は、ヤンの語った台詞をユリアンが回顧するシーンである。ヤンのいう事はしっくりくる。「忘れるという事は、当人にとって重要でない」という。ただ、メモは取らなくても、相手の話を一応整理してなるべく覚えているように努めよう。そして話の中で覚えていなければならないことだけを記憶しよう。後はどうせ忘れる。数字、日付等の肝腎なことはメモぐらいしておいていい。

(教訓)
〇業態は5年で変えろという。廃れるからである。
〇焦ってミスを犯すぐらいなら、動かない方がいい。ミスは仕事を遅らせる。焦らず速く動け。
〇メモは取らなくても頭に整理する能力を身に着けろ。忘れては困ること、数字、日付等肝腎なことはメモしておいて良い。忘れる危険があるならば。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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