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世の中で一番有害なバカは、休まず仕事をさせるバカである

「戦争でもっとも大切なのは補給と情報だ。この二つができなければ、戦闘なんてできやしない。戦争を敢えて一つの経済活動に例えれば、補給と情報が生産で、戦闘が消費に当たる」
・・・
「世の中で一番有害なバカは、補給なしで戦争に勝てると考えているバカだ」
・・・信じられない話だが、実際に人類の歴史上、そんな戦争指導者はいくらでもいたそうだ。その結果、掠奪やそれに伴う破壊、放火、殺人が大量に発生し、それもできなくなって兵士たち自身が餓死していったという。

(解説)
上記はヤンの言葉だが、それを経営に置き換えれば、「会社経営で最も大切なのは、補給と情報だ。この二つが出来なければ、事業なんてできやしない。事業を敢えて一つの経済活動に例えれば、補給や情報が生産で、事業が消費に当たる」といったところであろうか。

補給はロジスティクスとも言いかえることができる。しかしもっと広い概念であろう。狭義は原材料の調達から生産・販売に至るまでの物流ではあるが、モノの補給の他に、人的補給や金銭(財務)的補給も不可欠である。経営は、人、モノ、カネ、情報とはよく言ったものである。

「補給と情報が生産で、戦闘(事業)が消費」と言う言葉も、経営学に新たな知見を与えてくれる。確かに、モノの補給が生産とはそのままであろうが、事業を行えば、各種経営資源を確かに消費する。人だって使うし、お金だって使う。

もう一つのヤンの言葉、「世の中で一番有害なバカは、補給なしで戦争に勝てると考えているバカだ」とある。案外笑えない。特に人の補給とは、新しい人を入れるというだけではない。従業員に休養を十分な休養を取らせる、あるいは従業員を教育するというのも補給に当たる。そこが十分な会社もあるが、不十分な会社も少なくない。従業員のフィジカル的、メンタル的に回復させずに、空雑巾をさらに絞るということもよくある。休みと言うと非生産的に思えるのが、とんだ勘違いである。エネルギー回復の時間だ。

さしずめ、「その結果、掠奪やそれに伴う破壊、放火、殺人が大量に発生し」、と言ったところは、ノルマにメンタル潰されそうな営業が、会社の指示で、騙すかのように、詐欺的に商品を売りまくって、顧客を害するというイメージが湧いてしまう。大抵、従業員を酷使する会社にはロクなイメージがない。「世の中で一番有害なバカ」が経営者ということだろう。ただ、何度も繰り返すが、従業員を甘やかしてよいとは一度も言っていないのであしからず。

(教訓)
〇事業で最も重要なのは、補給と情報だ。
〇世の中で一番有害なバカは、休暇なしで仕事ができると考えているバカだ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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