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先行者利益と後発者利益

「いつも前に出ることがよい。そして戦のときでも先駆けるのだ。」

(解説)
マーケットは先行者利益とも言われるが、ときには後発者利益というものもある。後者は次のような場合である。

(a) 先行者がリスクをかけた開発コストの低減
(b) 参入時には市場が少なからず出来ているので、ポジショニング戦略を立てやすい
(c) 先駆者が見えていないポイントで勝負を掛けられる

例えばドトールが格安コーヒー店の多店舗展開を成功させた後に、スターバックスやタリーズ等が参入しました。それぞれが独特の特色を持ち、大成功を収めている。格安コーヒーというポジショニングからすれば、コンビニでのコーヒーも大成功モデルの一つと言えるだろう。これらの成功事例は、マーケットがある程度出来上がってからニーズを分析してサービスを提供できたことによる。これらはまさに後発者メリットの一つである。

その他は、例えば通信キャリアとして楽天が新規参入しているが、通信の物理的な設備であるルーターを使わずに完全仮想化でまかなうと発表。ハードウェアを使わず、すべてソフトウェアで行うというもの。その行方はまだわからないが、設備投資の額も少なくて済み、例えば4Gから5Gのような変化でも設備入れ替えが不要となり、コストアドバンテージを有するのではないだろうか。いずれにせよ、後発者利益と呼べる内容だ。

[教訓]
〇先に行けばいいこともあるが、後からの方がいいこともある。
〇後発者利益の最大のポイントは、先行者がリスクをかけた開発コストを低減してマーケットに参加できることである。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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