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起業する際に学ぶべき、真の指導者とは

宮本武蔵に学ぶ、

「自分は兵法の道で得た者に従って諸々の芸道の道としているのであるから、あらゆることについて自分には師はない。」

「今、この『五輪書』を書くにあたっても、仏法、儒教、道教の言葉を借りず、軍記や軍法の故事を用いず。自分の二天一流の考え方と、本当の意味を、天道と観世音を鏡として、十月十日の夜、午前四時三十分、筆をとって書き初めたものである。」

(解説)

他人から得られるということについて言えば、人はわが師ともいえるが、そもそも自分自身で学ぶ意識があれば、教え導くものは誰もいなくてよい。そういうものがいない道こそ、本当にあなただけの道となる。誰かに教えられて導かれていたら、その分野に先人がいるということになり、真の第一人者にはなれない。武蔵は自らの体験をもって、道を究めたのだ。師がいると師に頼ってしまう。

そして、師のブランド力に依存して、それに胡坐をかいてしまったら、そのブランド力はあくまでも師のものであって、自分のものではない。お客様が来て繁盛しているうちに、いかに自分ブランドを確立するかである。また、師の完全コピーは不可能なのだ。そのズレはいつか現れてくる。それはお客はわかる。師は師、弟子は弟子でしかない。師を求めて来店していれば、その師の味を完全コピーするしかないし、店の雰囲気、顧客対応など、あらゆる真似が必要だ。ただ、それは可能でもある。心遣いまでは真似はできない。人格のコピーまでは難しい。

自分の方針、いわゆるビジネスを成功させるためには、色々な書物を参考にすることは構わないが、それを鵜呑みにして取り組まないこと。常に、他人の知識から得た自分の知恵が、成功の法則に則っているかを判断基準にせよ。他人の知識を頼りにせず、真実の自分自身を頼りにすべきだ。

何よりもビジネスを体験することが自分を成長させ、自分らしさを確立していくことにつながる。とにかくやり続けろ。人の言葉を借りてごまかしてはならない。

[教訓]

〇他の者の知識をコピーするな、自分の内から出る知恵で勝負せよ。

〇人間の師がいるような分野ではナンバーワンにはなれない。

〇体験が一番自分を成長させる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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