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事業の完成のさせ方とは

宮本武蔵に学ぶ、

「自分が勝ったのは兵法を極めたからではない。生まれつき武芸の才能に恵まれ、天の理にかなっていたためであろうか。または他流の武芸が不十分であったためであろうか」

「その後一層深く兵法の道理を得ようと朝鍛夕錬してみるとおのずと兵法の道にかなうことができるようになった。自分が五十歳の頃であった。」

(解説)

自分が勝ったのは兵法を極めたからではない、それで兵法の道にかなうことができるようになったのは50歳の頃であった、としている。13歳の時に初めて勝負をして、28~29歳までに60試合以上戦い、負け知らず。そんな武蔵ですらも、兵法のことを理解できたのは50歳になってからと言う。準備万端になってから起業しようと思ったら、一生台無しだ。そうして人は定年退職まで、サラリーマンにしがみつこうとする。準備が不十分という言い訳で独立しないのだ。

成功するためには、準備は必要だが、しすぎはかえって害になる。ライバルが思った以上に弱いかもしれない。もちろん敵失に期待するのは間違ってはいるが、始めて見たら、とんとん拍子だってこともないわけではない。ただ、なぜうまくいっているのかということを理解できていないと、いずれ売り上げが落ちてしまったときに、原因不明で対処できなくなる。

朝鍛夕錬というくらいだから、稽古を一日中やっていたことだろう。今の自分のビジネスにそれだけ自分の人生をかけられているだろうか。仕事は所詮、食べるための手段という割り切りも、その人の価値観だが、それでは大きな人物とはなりえない。せめて、人生をかけるくらいの仕事に出会おう。残業代が、なんて言っているうちは、他人の仕事を手伝っているからそういうことになる。自分の仕事であれば、時間など気にならず、ひたすら仕事に没頭する。こういう仕事に出会えた時に、人生は映えあるものとなり、幸福感にあふれる。

成功するための条件は、武蔵も語っている通り、自分の才能もさることながら、それが成功の法則に沿っているかどうかということだ。法則を見出すためには、朝鍛夕錬くらいの時間を割かなければ。運で到達することもあるけれど。

[教訓]

〇準備に時間をかけすぎるな。起業は今すぐに始めろ。準備に時間をかけていては準備だけで一生が終わってしまう。今すぐ完璧主義は捨てよ。

〇成功するためには、天の理にかなっていることが大切。成功の法則を探すことに時間をかけよ。

〇時間を忘れるくらいの仕事に出会え。幸福感をもたらす。生きていることに価値が出る。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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