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臨機応変の対処の仕方

宮本武蔵に学ぶ、

「全て太刀の動きにせよ、手の持ち方にせよ、固着して動きがなくなってはならない。固着することは死の手であり、固着しないことが生の手である。」

(解説)

固着するとは、拘るということで、太刀はこのように握るもの、このように振るものと決めつけてはならない、ということだ。そして拘われば死に、拘らなければ生きる。

自分になまじ自信があると、その自信が本人に硬直性を生む。特に昔上手くいったことはこれからも上手くいくと思いがちだ。その成功体験が心のよりどころになると危険だ。自分にはあの成功がある。同じようにやれればいつかは上手くいく。そういって、人は失敗を重ね、ついでに借金も重ねてしまう。

借金を抱えると人は嘘つきに変わる。借金を返済できない口実に、嘘には嘘を塗り重ねる。仮に今度1,000万円の入金があったとしても、その1,000万円の入金の話を債権者全員にして、債権者が安心しきっていたら、実は債務の金額は1,000万円を超えている。全員に返せない。だから、誰かには嘘をつくことになる。また、自分の借金返済が一番優先順位が高くなる。ある社長は言う。「優先順位をきちんと考えている」と。しかしその優先順位に、従業員の生活費が入っていない。何故ならば優先順位の高いのは、その社長の借金返済と、本人の生活費だからだ。そんなものは優先順位とは呼べない。こういう経営者は多い。会ったら避けて通るべし。

自分のことが高い優先順位ということに固着して、周囲の人間が死ぬパターンだ。誰も彼もが離れて言ってしまうので、会社組織は成り立たない。そこで高い優先順位を周囲の人間にもっていけば、生きた組織になり、その社長は復活できる。でも自分のことしか考えていないから、一向に浮上しない。

嘘つきは泥棒の始まりとはよく言った者だ。信用できない奴はとことん信用できない。嘘つきだと思ったら、そいつと一緒にいてはいけない。簡単な約束も守れない奴は、一緒にいても成功することはない。誰かに必ず恨まれている。恨みと言うマイナスのエネルギーを近くにいる人も知らぬ間に受けてしまう。

上記の例は特殊な事例で、倒産間際の会社でしか起こらない。でもあなたの従業員として勤める会社がいつそうならないかとも限らない。また、自分が社長だったときには、噛み締めよう。今は上手く行っていても、上手くいかなくなったらどう豹変するかわからない。自分のことに優先順位を持つ人は、人を雇ってはいけない。人を使ってもいけない。正直、代表取締役等もやるべきでない。つまり起業する資格すらない。

その他として、仕事のやり方が硬直していてはいけない。柔軟性を持ってせよ。硬直性はビジネスの質を低くし、柔軟性はビジネスの質を高める。常に生きたビジネスとなるのが、時代や社会の波に合わせて、柔軟性を持って対処する方法。一つのことや考え方に拘りすぎてもいけない。ダメなことはサッサと切れ。ダメな人間もサッサと切れ。優先順位が自己中な奴、そして柔軟性の全くない奴。仕事を上手くいかなくさせる元凶でしかない。

[教訓]

〇固着思考を捨てろ。

〇どんな方法もこだわるよりも柔軟性をもって行え。その仕事は大きな成果を生む。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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