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成功するためのビジネスの崩してはならないペースとは

宮本武蔵に学ぶ、

「兵法にあって、太刀をとり、相手に勝つ道を会得するには、まず5つの基本形で5方の構えを知り、太刀の使い方を覚えて、全身が柔らかになり、心の働きが機敏となり、兵法の拍子がわかるようになり、ひとりでに太刀の使い方もさえて、身も足も、思うが儘に円滑に働き、自由自在になる。それに従って、一人に勝ち、二人に勝ち、兵法における善悪が分かるようになり、この書物の内容を1か条、1か条と稽古して、敵と戦い、次第次第に兵法の道理を会得するのである。このことをいつも心掛けながら、しかも急ぐ気持ちはなく、折に触れて戦ってみては、そのコツを覚え、どんな人とも打ち合って、相手の心を知っておくのである。」

「千里の道も一歩ずつ運ぶのである。ゆっくりと気長に取り組み、・・・今日は昨日の自分に勝ち、明日は自分より下手なものに勝ち、次には、自分より上手なものに勝つと思い、この書物の通りに鍛錬を積み、少しもわき道に心を動かされぬように考えよ。」

「千の稽古を鍛といい、万日の稽古を錬というのである。」

(解説)

ビジネスにおいても基本を押さえて場数を踏むことが大切である。基本は、実務をやりながら習得するということになるが、学生時分に起業しても良いだろうし、サラリーマンになってどこかの会社で基本を習得するという方法もあるだろう。いずれにしても、サラリーマンの時代に得た基本を応用するにあたって、雇われ人と雇い人の違いは大きい。結局のところ、企業経営に関する基本の多くの部分を間違いなく、自ら起業した後に獲得することになる。

自らビジネスをやりながら、場数を踏んで、ひたすら基礎力と応用力を高めていくしかない。やりながら基礎を固めていく作業なのだ。場数を踏めば、どんな状況になっても平常心でいられるし、柔軟性をもって取り組むことができる。そうすれば、上で述べているように「心の動きが機敏になり、ビジネスのリズムがわかるようになり、思うが儘に自由自在になる。」

基礎を習得し、実践し、基礎固めをし、その繰り返しでビジネスの成功の法則を獲得することができる。このことを決して焦ってはいけないし、自分のビジネスにプラスになると思ったら、あらゆる顧客とも接点を持つべきである。

ビジネスが成功するまで、まさに千里の道も一歩よりであるから、ゆっくりと構え、早急に結論を出そうと焦らずに、まずは昨日の自分に勝てばよい、という繰り返しで、自らのビジネスに集中し、わき道には決してそれるな、ということだ。

[教訓]

〇ゆっくり、じっくりとビジネスを行え、決して焦るな。

〇ビジネスとは基礎固めと場数だ。場数を踏むことでさらに基礎力や応用力が身に着く。そして、平常心と柔軟性を持ち、心が機敏になり、リズムを習得し、ビジネスの成功の法則を知ることができるようになる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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