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ビジネスのパラダイスを手に入れる方法とは

宮本武蔵に学ぶ、

「渡とは難所(危機)を乗り切るというほどの意味。世の中を渡るにも、全力を尽くして危機を乗り越えるということがなければならぬ。」

「兵法、戦いの時にも渡を超す気持ちが大切である。敵の程度を知り、自分の能力を正しく判断して、兵法の道理によって、危機を乗り切るということは、優れた船頭が海を渡るのと同様である。」

「危機を乗り切れば、その後は心配ないものである。渡を越したことによって、敵に弱みを生じさせ、わが身は優位に立つことができ、大抵の場合、早々と勝ちを得ることができる。多人数の戦いの上でも、一対一の勝負の上でも渡を超すというのは大切なことである。」

(解説)

起業家たるもの、全力を尽くして、危機を乗り越えようとする気概が必要だ。そもそも順風満帆な海などない。一度航海に出たら、いつ嵐が吹き荒れるかわからない。しかし海に出なければ、新天地はわがものにならない。危機は乗り越えてこそ価値がある。その先にこそパラダイスがあるのだ。

嵐を乗り越える時には、強力な船長のリーダーシップと船員の頑張りが必要だ。もう駄目だと思ったらそこで終わってしまう。まずは嵐の大きさ、どれくらい持続するか、船員の体力やモチベーション、これらを正しく判断して、危機を乗り越えることが可能となる。

まずは自分自身の力量と部下の力量の把握。そして何よりも部下のモチベーションの維持だ。どんなに部下の能力が高くとも、モチベーションがなければ乗り越えられない。乗り越えるだけの価値と、最低限のエネルギー(生活費)をリーダーが保証できるかどうかだ。部下の能力に期待して、エネルギーを提供できなければ、モチベーションが上がらず、能力は活かされずに終わる。それに気づかない経営者も多い。社会を変える大きなことをやっていると思っているのか、多少スタッフにエネルギーを後回しにしてもついてくる、何故ならば俺はすごいからだ、というとんだ勘違い野郎も少なくない。戦争において、食料を補給しなければ働けないだろう。それを兵士個人で賄えというのは無理があるのだ。

危機を乗り越えると組織は強くなる。リーダー本人も強くなる。但し、自らきちんと責任を果たした場合だけだ。自らはトンズラしといて、部下が必死にやって何とかするというケースも決して少なくはない。

だから組織を急速に強くしたいと思ったら、あえて虎穴に入ってみるのも良い。ただ、準備や武装、情報収集はお忘れなく。虎の親がいなければ、子虎は手に入りやすい。闇雲に突撃したらただの馬鹿だ。でもそういう経営者も多い。自から飛び込む場合やら、部下に飛び込まさる場合やら。

[教訓]

〇起業家ならば嵐を求めよ。

〇嵐の先にこそパラダイスがあると知れ。

〇組織を強固にしたいときには、あえて虎穴に入れ。但し虎の親がいない時を見計らえ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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