宮本武蔵に学ぶ、
「兵法は「利方」といわれ、確かに武芸に当たるが、「利方」というには、剣術だけに限るべきではない。剣術だけに役立つのでは、剣術そのものも知ることもできない。もちろん戦争の掟にかなうはずがない。」
「世間を見ると、諸芸を売り物に仕立て上げる気持ちがある。それは花と実の二つのうちで、実がなくて、内容がない。特に、この兵法の道において、表面を飾り立て、花を咲かせて術を見せびらかし、利を得ようとしているのは、俗にいう生兵法は大けがの下になる。」
「武士にあっては、手段に適した様々の武器をこしらえ、その武器の用法をわきまえるこそが武士の道でなければならぬ。武器を用意もできず、それぞれの武器の特性も理解できないでは、武士としていささかたしなみがないではないか。」
(解説)
資格持ってます。いい大学出ました。いい会社で経歴積みました。確かに花はあるが、内容が伴うのかは別の話だ。資格を持っているから、いい大学出たから、いい会社で経験を積んだからと言って、実務ができるのとは別の話だ。往々にして、実力のない奴こそ、そういったことでごまかすしかない。もちろん実力があれば、それらの肩書は不要だが、しかし世の中がその肩書に騙されること。要するに、人を見る目がないということだ。
特に肩書の立派さで、転職したところで、周囲の期待に押しつぶされることになる。履歴書や職務経歴書の立派さで、転職しても、転職サービスの会社を喜ばせるだけで、入社した人材も、それを受けた会社も不幸なだけだ。
資格を持っていても、その知識は実務においては2割くらいしか役に立たないと言われる。あとの8割は実戦で身に着けるしかない。そもそも試験勉強をしていたときの知識が未来永劫仕えるわけでもない。制度は毎年変わるのだから。
武器の用法とは、資格であり、啓蒙本で習得した知識である。特に知識の準備もできずに実践への活かし方もわからないというのであれば、ビジネスパースンとしては能力不足と言わざるを得ない。
以上は雇われ人と言うスタンスではあるが、起業家でも同じこと。ホームページの立派さとか、これだけの資格を持っている人がいますと誘い込んでも、中身がなけりゃ、お客にはなりゃしない。もはや肩書以外の個性で勝負する時代になっている。
最近、お客は肩書や資格だけでなびく時代ではない。
[教訓]
〇肩書よりも内容で勝負しろ。
〇資格や知識以上に、実戦での活かし方の方が大切。
〇肩書よりも人を魅き付ける人間性で勝負する時代になった。営業力にもつながる。