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企業は拡大志向を持たなければ維持すらもできない。

宮本武蔵に学ぶ、

「四つ手をはなすというのは、敵も我も同じ気持ちとなり、互いに張り合う状態になっては、戦いははかどらなくなるので、張り合うようになったと思えば、そのままの状態を捨てて、別の方法で勝つことを知れというのである。」

「多人数の戦いにあっても、四つに張り合う状況になっては、決着がつかず、味方の人員を多く失うものである。こういう場合には、早く転身して、敵の意表を突くような方法で勝つことが最も大切である。」

「一対一の兵法にあっても、四つ手になったと思ったら、そのまま状況を変えて、敵の様子を見て、色々と変わった手段で勝利を得ることが肝心である。」

(解説)

相手と互角になり、全く勝負が硬直してしまったときに、別の方法を用いろ、ということである。

ビジネスの場合、売上を伸ばしたいのに、停滞してしまうことはよくある。伸ばしたいのならまだしも、マンネリ化はビジネスの敵だ。概ね停滞期は、経営者の満足や油断から生じる。起業して、困難な時期を乗り越え、これからというときに、安心してしまうのか、現状維持を試みようとする。

中小企業は、止まったら終わる。常に拡大を意識し、新規事業をやってビジネスを活性化していないと、衰退の一途をたどる。経営者が満足した時点で、右肩下がりとなる。新規事業をやっても、必ず当たるわけではないから、損失を被ることもよくある。しかし何もしないで右肩下がりになるのと、経営者がアグレッシブに動いた結果、損失となる場合には、意味が異なる。

もちろん一つ目の事業で、足元を固めるために、現状の事業に専念することは必要だ。飲食店や美容室経営を見ればわかる通り、新規顧客を開拓して、リピーター客が確保できて、安心しきっていては、リピーター客の中には転勤やその他の理由で別の町に引っ越してしまう人だっている。年齢を経ると、病気になったり、死亡ということだってある。だから一定程度は常に新規顧客開拓をしていかなければならない。少なくとも自然減の人数をカバーできるくらいの新規客は必要だ。これも常に拡大を意識しても、ようやく中小企業は現状維持ができるにすぎないという例なのだ。

新規メニューを作る等、常に顧客ニーズを捕まえて、その手この手でお客を飽きさせない努力が必要なのだ。

[教訓]

〇中小企業は常に拡大意識を持て、新規事業を模索せよ。リピーターが増えたからと安心するな。自然減を想定し、新規客を開拓せよ。拡大意識を持ってすらも現状維持が限界と思え。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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