織田信長に学ぶ、
「臆病者の目には、敵は常に大軍に見える。」
(解説)
桶狭間の戦いで、劣勢をひっくり返した自信が、なお信長に言わせる。現代流に言えば、リスクを過大に見積もってしまい、何の行動も起こさないと言うことであろう。
世の中の起業に対する一般的なイメージは、「上手くいかない」「借金を抱えて返せない」「破産が待っている」とこんな感じだ。サラリーマンをやっていれば、確かに毎月の給料が入るのが当たり前だと思っていると、とんでもない大間違いだ。サラリーマンでも給料の取りはくぐれは全くないとは言えない。もちろんそんな会社を選ばないことが重要だ。だが、どんな会社でも、いつ何時どうなるかはわからないし、会社は安泰でも、従業員を首にして組織を維持するといった会社判断が今後、多くなってくることだろう。会社都合であれば失業保険はそれだけもらえるけれども、再就職は人によっては困難なものとなる。
特に中高年の再就職はシビアだ。逆の立場に立って考えてみよう。中高年と若者をどちらを雇うか。同じ給料だったら間違いなく若者だろう。仕事に対する吸収力がありそうだからだ。正直なところ、若者だから使えると思う方が甘くて、家族を養わなければならない中高年の方がはるかに必死に働いてくれる可能性は高い。また、若者は長続きしない。中高年の場合には再就職の大変さを知っているから、長く働く可能性が高い。
ただ再就職後の年収を考えたら、今までもらっていた金額と比較してしまうから、キャリアアップを上手くできなかった場合には給料が下がらざるを得ない。その結果、自分で起業しなければならなくなる。ただ、最初から起業するつもりで準備しておかないと、給料を切り崩してしまって、創業融資を借りようと思ったら、自己資金がなくて借りられないとういことになってしまう。
このように考えるとサラリーマンだからリスクが少ないのは、若いうちだけに言えることだ。むしろ年を取ってからのサラリーマンはリスクでしかない。
だから、起業は選択肢として、常に考えておいた方がいい。誰も彼もが起業をする必要はないが、会社から捨てられてやむを得ず起業することだけは避けたい。会社を運営するノウハウは、ある会社で部長をやっていれば身に就くものではない。あくまでも会社を運営しなければそのノウハウは身につかない。そのノウハウと身につけるには早ければ早いほどいい。起業したいと思ったら、まずは起業することだ。それに勝るトレーニングはない。
起業したからと言って必ずしも借金を抱える必要はない。また何でうまくいかないと思うのだ。サラリーマンでやっている仕事の延長で同じ仕事をやるつもりであれば、勝手がわかっているわけだし、それほどリスクではない。
不動産投資だってそもそもリスクでしかないし、一つのビジネスなのだ。他人に任せたリスクは過小評価し、自分でやるビジネスは過大評価する。その前に不動産投資は自分でやっているビジネスだと思わなければならないだろう。融資を必要としない分、自分で起業した方がはるかにリスクが少ないと思うのだが。
信長曰く、臆病者だということなのだろう。
[教訓]
〇人に任せるリスクは過小評価し、自分で行うビジネスリスクは過大評価する。この考え方はやめろ。
〇社会でまともに生活できていれば、ビジネスもまともにできる。自分でやっていないことをやらなければ、そこにはリスクはない。