織田信長に学ぶ、
「藤吉郎(秀吉)は何が不足なのか。浮気など言語道断だ。しかし、やきもちはいけない。夫の世話をちゃんとして、言いたいことがあっても言わない方がいい。」
(解説)
信長は孤高の仕事の人、と言ったイメージがある。信長自体は政略結婚だったが、実は秀吉の正室は恋愛結婚であった。「ねね」さんは、「北政所」とも言われる。戦国武将杉原定利の娘だが、ねねは浅野長勝の養女となった。秀吉は下層民の出身であり、秀吉とねねとの結婚に当たり、実母から身分の差で反対されたことがある。当時としては恋愛結婚自体が珍しかった。また秀吉は側室を浅井長政の娘、淀殿を迎えている。
秀吉の浮気は、北政所や淀殿以外の女性となろうが、信長も「浮気はよくないが、妻はやきもちするでない」しかも「夫を世話し、言いたいことも言うな」という。何という上司だと思う。現代女性には全く通用しそうにない。そもそも逆のことを言われたら、それも当然嫌だが。
家臣のことをきちんと考えているというところが組織のリーダーとして立派すぎると思う。家庭が安定していないと、仕事にも支障をきたす。よく、プロ野球の選手が、女子アナとくっつくのはさておき、姉さん女房がいいと言われるのは、家庭のことを全て任せきれるからだと言われる。別に年下女房でも、家庭のことを全て任せられれば十分だとは思うが。
少子高齢化の原因は、草食男子が増えてきたからとも言われているが、実際は将来収入が不安だからだ。そもそも今も派遣ワーカーで日雇い労働しかなければ、今も収入が不安であれば、家族を持つこともままならない。
経営者は、従業員を雇っているだけでなくて、その従業員の家族もひっくるめて、その生活を面倒見ているのだ。近年、そこまで経営者側も余裕もなくて、会社と従業員の一対一の関係で完結してしまっている例が増えているが、家族のことも考えられて初めて、経営者を言えるのではなかろうか。
数年で上場を果たした経営者が、「みんな家族を持っていて、それでなおかつ、自分についてきてくれたわけだから、上場させるのに必死だった。とにかく長引かせることは避けないと、それが数年でのスピード上場につながったと思います。」ということを言っている経営者がいた。こんな経営者だらけであれば、みんなハッピーになれるのにと思う。本当に人の出会いは大切なものだ。
[教訓]
〇従業員の家族が安泰ならば、会社も安泰だという考え方を持て。
〇経営者は従業員だけを雇っているのではない、家族も含めて雇っているのだという自覚を持て。それが本当の家族経営だ。