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ビジネスは既成概念を破れ

「世の既成概念を破るというのが、真の仕事である。」

 

(解説)

誰もがやっている仕事とは、単なる作業にすぎない。付加価値を生んでこそビジネスとなる。つまり、世の既成概念を破ったところで初めてビジネスというものになる。誰もがやっていることは、競合が多いから、価格競争になりがちだ。当たり前のことをやっていても当たり前の利益しか生まないばかりか、赤字の垂れ流しになってしまう可能性だってある。レッドオーシャン市場に殴り込みをかけてしまう人間の習性は、みんなが食べていけるのだから、自分も何とかなるだろうという発想だ。リスクをとらないから、余剰利益は生じない。最低限食べてはいけるかもしれないが、それではサラリーマンをやっていた方がおカネになる可能性が高い。

 

ここで少し既成概念という奴を破ってみよう。例えば、安全な顧客にリース商品を販売するのと、そうでない顧客にリース商品を販売する。既成概念的に考えれば、前者にしか商品を販売しない方が得策だ。後者に販売したら資金の回収ができない可能性があるからだ。しかしこのような既成概念にとらわれていては、商機を逸してしまう。みんな同じことを考えるから、リースの料率勝負(安値合戦)になってしまうからだ。

 

ここでコマツ社は、IoTを活用して、金融サービスの拡張を図った。そもそも建設機械は再販価値が高いため、顧客が倒産したときもコマツの貸倒リスクは限定される。再販価値を高めるために、現社を確保することと、再販が容易になるよう建機のコンディションを良好に保つことに勤めた。このため、遠隔からの位置確認やエンジン停止といった機能を活用。結果的に、IoTを活用した本格参入後、事業規模は約3倍に拡大したそうだ。つまり、コマツ社はリスクをとって、リースの販売先を拡大したということになる。

 

もう一つの既成概念は、年収の高い人は購買力が高いというもの。確かにそうなのだが、例えば、年収1,000万円超だが、年間5万円しか自社のサービスを利用しない人と、年収500万円だが、年間20万円も自社のサービスを利用してくれる人のどちらが自社にとって優良顧客だろうか。こういった考え方も既成概念を壊す考え方ではないだろうか。そうすれば、当社のサービスを利用する人を年収だけで判断しなくなる。マーケティングのターゲットを変えることができるわけだ。まさにITを活用したデータマイニングで付加価値を創出した例と言える。

 

[教訓]

〇既成概念を外し、付加価値を生むことこそ真のビジネスである。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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