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大変なときにどうするかで、その人の真の人間性が見えてくる

李克は言った。「人を察するには、その人が日常、誰と親しくしているかを見、富めば誰と与しているかを見、高位につけば誰を用いるかを見、窮すれば何をしないかを見、貧すれば何を取らないかを見るのです。この五つの点をみれば、人物を選定するのに十分です。」

(解説)
類は友を呼ぶとはよく言ったものだ。ある人を見るにあたって、どのような人と親しくしているかを見れば、大抵、どんな人かわかる。また、合わない人とは縁が次第に切れていってしまう。一時的に一緒に働いていても、どこかのタイミングで赤の他人になっていく。

社会人になった後で、自分の飲み仲間を考えてみると、誰一人サラリーマンがいない。みんな自分で仕事をしている人ばかりだ。サラリーマンと話をしていても正直話が合わない。当然、自分がサラリーマンをやっているときは、同僚と飲んでいることが多いからサラリーマンではあるが、話の内容が、は~つまらねえ。サッサと帰りたくなるのが本音だった。しかし人付き合いというのは大切だ。

仕事上では、好き嫌いを言っていたら仕事もなくなるが、せめてプライベートの時ぐらいは、気の合う連中同士でいたいものだ。経営者としての悩みは大なり小なり同じで、話は合うし、相談に乗ってもらえる。また、自分の方が逆に相談を受けてあげて、それなりの回答を用意してあげることもできる。

仮に上手く行っているときに、どのような人たちと一緒にいるか、そして自分が経営者ということは前提だが、どんな奴を部下に抱えているか、ということもチェックポイントの一つである。

ただ、むしろ大変な状況に陥った時にどのような行動を取るかの方が人間性が現れるのではないだろうか。まず、大変な状況に何をしなくなるか。社長自ら真っ先に銀行対応をやめ、経理に丸投げというのがあるが、経理に丸投げされても、銀行の方も困る。責任者から話を聞かないと何もアクションを起こせない。銀行員だって上司に報告する義務がある。次に、お金が乏しいときに、何を取らないかを見る。ここでスタッフや関係者への報酬を後回しにして、自分の生活費を取ろうという場合には、信用できない奴だと思った方がいい。

今の政府や官僚を見ていると、まざまざと彼らの本性が見せつけられる。まあそんなものだ。

[教訓]
〇人を評価するときには、どのような人と付き合っているかを見れば一目瞭然だ。詐欺師の仲間は大抵詐欺師だ。
〇大変なときにどう行動するかの方が人間性が出てくる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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