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人によってはアドバイスを変えよ

求が孔子に問うて言った。「良いことは聞くままに、すぐおこのうてよろしいでしょうか。」孔子が言った。「おこのうてよろしい。」子路が孔子に問うて言った。「良いことは聞くままに、すぐおこのうてよろしいでしょうか。」孔子が言った。「相談すべき父兄があるからには、何と聞くままにおこのうてよいものか。」子華がこれを怪しみ、進み出て孔子に問うた。「同じ質問でありますのに、お答えが違うのは、どうしてでしょうか。」孔子が言った。「求は慎重で、引き込みがちだから進めたのであり、由(子路の名)は勇敢で、人に先んずるふうがあるから抑えたのである。」

(解説)
求とは、姓は冉、名は求、字は子有。孔子より29年若い。孔子からは政才を評価されたが、引っ込み思案だったという。そして孔子が破門を宣告してしまった人物である。

同じ質問に対するアドバイスであっても人によっては買えるべきという例えである。冉求は積極性がなく、子路は積極性があったため、前者は尻を叩き、後者は抑えると言った具合だ。

人それぞれだというのにみんな同じように扱えばよいと思い込む経営者もいるが、それが根本的に間違いだ。人それぞれ扱いを変えなければならない。けなして発破をかければ動くタイプと、けなすと自信を無くしてしまって、積極性なくなってしまうタイプもいる。また、褒めれば、木に登るタイプもいれば、褒めればいい気になって暴走しまうタイプもいる。

経営者と言えども、見ただけではどんなタイプかわからないから、って見て、褒めてみて、どちらがモチベーションを高めるか、判断するしかないだろう。

マネジメントの本質は、人それぞれだという事を思い直そう。みんな十把一絡げには済まないのだ。

[教訓]
〇アドバイスは人によって変えよう。
〇マネジメントは人それぞれ、同じやり方でその人のモチベーションを高められるわけではない。褒めればいいタイプと、ればいいタイプがいる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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