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自信を持って取り組めば成功する

孝公は商鞅を登用したのち、国法を変えたいと思ったが、天下の人々が、自分を謗るのを恐れた。そこで商鞅が言った。「確信のない行為は、名誉とならず、確信のない事業は功績となりません。それにまた、常人より優れた行いのある者は、とかく、世間にけなされ、独特の思慮ある者は必ず民に謗られるものです。愚者は事の成果さえわかりませんが、智者はまた兆しもないうちにわかります。だから人民は事の初めに意見を聞くべきものではなく、成功してから、楽しみを共にすべきものであります。至徳を論ずるものは、俗説にこびず、大功を成す者は、衆人にはかりません。それゆえ聖王は、いやしくも国を強くすることができるなら、必ずしも選定に則らず、いやしくも民を益することができるなら、必ずしも礼節に従わないのであります。」

杜摯という者が、また、「利益が百倍なければ、法を変えず、効果が十倍なければ、器はかえないものであります。古に則れば過ちはなく、礼に従えば邪悪はありません」と反対したので、商鞅が言った。「世を治める道は一つでなく、国家としての利得があれば、必ずしも古に則る必要はありません。現に、殷の湯王・周の武王は、古に則らないで王となり、夏・殷は礼制を変えないのに滅びました。古に背くからとて、悪いとするにあたらず、礼に従うからとて、良いとするには足りません。」

『貌言は華であり、至言は実である。苦言は薬であり、甘言は疾である。』

(解説)
「確信のない行為は名誉とならず、確信のない事業は功績とならない」というのは、何事も自信をもってやりなさい、自信を持ってやらなければ成功しないということである。そして優れたことをしたり、オリジナリティのあることをする人は、世間からけなされると。だから一般人は、成功してから、それを味合わせてやれと言っているのだ。なんだか起業家そのものではないか。

中々改革は難しい。一般人は、利益が百倍、効果が十倍なければ変えるべきでないと言うが、概ねそんなことをして利するのは、既得権者である。社会をよりよくしたければ、まずは既得権を排除するところから始めなければならないだろう。というかいつの間にか既得権はなかったことになっている、という方法が正しいと思われる。既得権者の常識が正しく、新参者の常識が間違っているとは言えない。少しでも変えた方がいいと思ったら、どんどん進め。既得権者に遠慮することはない、良いと思ったことをするのが起業家だ。

上辺だけの言葉というのは華である。中々本当にいいものは伝わらない。そうであれば、見てくれだけでもよくしておいて、実を伝えるという方法もあるはずだ。もちろん過大広告は困るが。

組織において、苦言は薬になる。トップも部下からの苦言を聞け。よいしょには耳を閉じろ。単なるお世辞だ。イエスマンが会社を潰すと心得よ。

[教訓]
〇成功したいなら自信をもってやれ。
〇起業家は既得権者に遠慮しなくていい。いいと思ったらどんどんやれ。いつの間にかに既得権者を追い出してやれ。
〇トップは部下からの苦言を聞け。薬になる。よいしょは聞くな。ただのお世辞だ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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