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自分が正しいと思い込むな

「思慮が軽くては国を治められず、一人の知恵では君も保てない」

「必ず参にして之を伍にし」てことを考察するのは、聖君の常道であります。

・・・(万里の)長城の要塞を見たが、山を掘り谷を埋めて直道を通じたこと、誠に民の労苦を顧みないものである。かの秦が諸侯を滅ぼした当初、天下の人心はまだ安定せず、少尉の者もまだ言えなかった。名称の点としては、この時においてこそ人民の危難を救い、老人を養い故事を憐れみ、庶民の融和を図るようにしなければならなかったのであす。それをひたすら上意におもねって、自信の功労をはかることに勤めた。かくては兄弟共々誅殺に遭うのも当然ではなかろうか。

(解説)
第一段目は子嬰(二世の兄の子)が胡亥を諫めて言った台詞。趙高が蒙氏を捨て去ろうとしていたことに気づいたのだが、胡亥は聞き入れなかった。思慮が軽くては経営者にはなれないとはいうものの、結構思慮が軽くても経営者になっている例は多い。むしろその思慮を補うためにこそ、知恵袋が必要なのではないか。だからせめて色々な人から話だけでも効くようにしたい。そしてそれを吟味して自分なりに整理し、経営意思決定に活用していけばよいと思う。鵜呑みにする必要もないし、引っ張られる必要もない。間違っても自分の知恵や知識が正しいと思わないことだ。

第二段目は蒙恬が胡亥の送ってきた使者に対して残した言葉。物事は必ず、色々と参考にし、それを交互に反復するという意味である。色々な人のアドバイスを参考するのもその一つ。どれが正しいと決めてかからずに、Aさんの意見を参考にしてちょっとやってみる。ダメならばBさんの意見を参考にする、こういう考え方でよいのではないか。結局はやって見なければ結果はわからないし、実はAさんもBさんの意見もダメだったということもある。やりながら最適化していくのが一番である。

第三段目は、史記の作者司馬遷が蒙恬について述べた言葉。元々は蒙恬が何で自分が殺されるかわからない、そうであるならば、殺される理由を自分で見つけたことによる。しかし、何かの因果とはあるものだ。どこかで悪行と積んでいれば、損害を与えた人からではなく、別のところから帰ってくることもある。その時に問題なかったからと言う態度も良くない。常に全力で善行を積もう。

[教訓]
〇色々な人のアドバイスを参考にせよ。
〇色々な人のアドバイスを少しずつ実行し、都度修正し、最適化せよ。
〇善行も悪行もどこかで返ってくる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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