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時間を無駄にしないための意識の持ち方

孫子に学ぶ、「兵は勝ちを貴び、久しきを貴ばず。故に兵を知るの将は、民の司命、国家安危の主なり。」

(現代語訳)

戦争は勝利を尊重するが、長期戦となることは尊重されない。戦争を熟知した将軍は、民衆の死生を左右する、そして国家存亡を握ることを知っている。

(解説)

もちろん戦争は勝つためにやっているのだが、長期戦は避けるべきだとの考え方だ。長期戦は兵だけでなく食料も無駄に消耗する。こういったことを知っている人が将軍をやるべきだという。

まずビジネスも成功することが第一義なのだが、成功するまでやるべきかというとそうでもない。営業も商材にもよるが、アポ取りをして初回説明をする、改善点を指摘され、その改善点を修正して、二度目訪問する。もう一度改善点を指摘される。そこでもう一度改善点を修正し三度目訪問する。ここで営業の成果が出ればよいが、ここであそこ直して、ここ直してと粘る奴は、営業されて困る会社だと思った方がいい。仏様の顔も三度とか、三度目の正直と言う言葉があるが、営業も三度目までだと思う。それ以降は成果が出ないと思って良い。コスパが悪すぎる。自分だけが修正するならいいのだが、普通の会社であれば、営業だけではなく、ファクトリー(商材を作る)側の調整もしているはずだ。無理だってしてもらっている。それ以上社内調整もできない。それが三度目だ。もちろん回数に絶対的な意味があるわけではない。自分の扱ってきた商材がたまたま三回がピークだと思っただけだ。それはその会社のあるいは商材の事情だったりはあるだろう。

投資を受ける際の折衝でも、アメリカでは一度プレゼンして箸にも棒にも掛からぬ場合は次はないケースが多い。日本では担当者によっては、なんとなくダラダラと断りもなく、資料の修正やら追加資料の提出やらをし続けるケースがあり、やはり縁がなかったということでと後でやられると、時間の無駄に感じることはないこともない。但し、ここで粘って作った資料は次回のプレゼンで生きることも多い。総合的に無駄にはならないこともある。

いずれにしても長期戦があまり良い結果は生まないことを熟知している人が経営者をやった方がいい。そうでないと、つまらない信念に周りの人を巻き込んでしまう。結果が出ないのに時間だけ費やすほど、意味のないことはない。結果が出ればいいというものではない。ビジネスというものは早く切り上げるべきだ。コストや時間をかければ、それだけリターンも必要になるが、粘ってもたかが知れたリターンであれば、コスパが悪いということになる。例え、何らかの結果が出たとしても、時間を考えれば損と言うこともある。他のことや他のクライアントに挑戦した方がいい。

[教訓]

〇ビジネスに長期戦は無意味なことが多い。

〇ダメなときはサッサと結論を出して次へ行け。

〇実際にかかった費用だけでなく、時間も費用に換算して本当に最終的に儲かったかどうかを考えるべきだ。時間がかかればそれだけリターンがなければ無意味だ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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