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メリットとデメリットは表裏一体。デメリットのメリットへの変え方とは

是の故に智者の慮は、必ず利害に雑う。利に雑りて、而ち務めは信なるべきなり。害に雑りて、而ち患いは解くべきなり。

(現代語訳)

知恵のある者は、必ず物事の利害両面を考える。利益になることは同時に害になることもあることを知って臨めば、その任務は実現可能なものとなる。一方、害となる物事についても利益を合わせて考えるので、憂いは解消する。

(解説)

物事には必ずメリットとデメリットがある。どんなことをやったとしてもメリットしかないことはないし、逆に言えばデメリットしかないこともない。但し、デメリットよりもメリットの方が大きい場合、メリットよりもデメリットの方が大きい場合はある。

人は物事のメリットしか見ていない場合がある、あるいはデメリットしか見ていない場合がある。物事を行う時に、感情論を一度捨てなければならない。というのは感情的にその物事を嫌う場合には、あら捜しをしてしまい、やらない言い訳を見つけ出そうとする。逆にその物事を好む場合には、その物事のいい面だけを見て、悪い面を隠し、やる言い訳だけを探す傾向があるからだ。

会社としては利益になるならば、なるべくそのプロジェクトを手掛けた方がいいわけだが、そこには必ずデメリットがあることを把握し、そのデメリットに対処できるようにしておけばよい。いざ問題が起きても、大ごとにならずに済む。そのトラブルが起きたら、待ってました、お任せあれと言わんがばかりだ。

社内で会議をする場合においても、物事のメリット、デメリットを一人で全て把握することは困難だから、ブレスト用にリスト化しておいて、みんなで集まってから議論をしてみると、色々な経験者からのより広範囲な意見をもらえたりする。会議参加者にとって、それは知らなかったなとか、その問題点はこういう方法で解決したよ、と建設的な意見が出てくればなおよし。そのデメリットの解決法によっては、今までメリットよりもデメリットの方が大きいと思っていたものがそれほどでもないことがわかることもある。管理できればリスク(=デメリット)ではない。往々にしてリスクが大きい方がリターンも大きい。そのリスクは競合にとっての参入障壁になっているかもしれない。三人寄れば文殊の知恵。デメリットはみんなで共有することで解決していけばいい。

[教訓]

〇物事にはすべてメリットとデメリットがあることを把握せよ。

〇デメリットは予め把握しておけば、対処も容易だ。

〇物事を行う際にまずは感情を捨て去れ。

〇メリットとデメリットをブレスト用にリスト化し、みんなでデメリットを潰していけ。リスクが大きければリターンもまた大きい。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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