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リーダーはスタッフとその家族を養っているという自覚を持て

それ将たる者は、人の司命、国の利器なり。まずその計を定め、然る後即ち行う。その令すること、漂水の暴流するがごとく、その獲ること、鷹隼の物を撃つがごとく、静かなること、弓弩の張るがごとく、動くこと、機関の発するが如し。向かうところの者破れ、しかして勍敵自ら滅ぶ。将に思慮なく、士に気勢なく、その心を等しくせずしてその謀を專にすれば、百万の衆ありといえども、敵懼れず。儺にあらざれば怨みず。敵にあらざれば戦わず。工は盧般の目にあらざれば、もってその工の巧みなるを見るなし。戦いは孫武の謀に在らざれば、もってその計運を出だすなし。

(現代語訳)
将軍は、部下の命を預かり、国家の安危を担っている。従って、戦いに赴く前に万全の作戦計画を定めてかからねばならない。その命令は激流のように速やかに行き渡り、獲物にとびかかる様は鷹や隼のようにすばしこく、その静かなることは満々と引き絞った強弩のように、その動くさまは機関のようにダイナミックでなければならない。そうあってこそ、向かうところ敵はなく、どのような強敵でも勝てるのである。
将軍の思慮が欠け、兵士のモチベーションも上がらない。さらに心がバラバラのまま、戦争に臨むならば、百万人の大軍を用いても、敵に脅威を与えられない。それは烏合の衆にすぎないのだ。
作品のすばらしさを評価するには、名工である盧般の目が必要だが、作戦計画の立案には孫武の謀が必要だ。

(解説)
リーダーはスタッフや関係者の生活を預かっている。当然会社の浮き沈みはリーダーにかかっている。ビジネス開始前に万全な事業計画を立てなければならない。一度決めたら素早く動く。力強く動く。待機するときはまさに弓を引いているときのように力を入れつつ待つ。

リーダーの考え方が短絡的だと、スタッフのモチベーションは上がらない。モチベーションどころかチームの全員が白け切っているから、心もバラバラ。事業計画とは、資金調達の時にあればいいものではなくて、会社を経営してくうえで重要な設計図なのだ。そしてリーダーの短絡的な考え方を修正することができるようになる。成功のための、アイデアの客観化とエビデンスづくりのために必要となる。

自分の儲けばかりに頭がいっぱいだと、スタッフや関係者の生活まで頭が及ばない。事業がやりたいのではない、実は金が欲しいだけだ。これはリーダーとしてもふさわしくはない。事業をやるリーダーについて行こう。カネもうけ優先の守銭奴ではなく。

[教訓]
〇リーダーはスタッフや関係者の生活を預かっているという自覚を持たなければならない。
〇自分の金稼ぎだけで頭がいっぱいだと、スタッフなどの生活まで考えない。
〇金が欲しいだけという奴はリーダーの資格はない。事業を推進する者のみがリーダーの資格を持つ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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