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立地によって戦略を変えよ

それ地勢は、兵の助けなり。戦地を知らずして勝ちを求むるは、未だ之有らざる也。山林土陵、丘阜大川は、これ歩兵の地なり、土高く山狭く、萬桁あい属すは、これ車騎の地なり。山に依り潤に附き、高林深谷なるは、これ弓弩の地なり。草浅く土平にして前すべく後すべきは、これ長戟の地なり。盧葦あい参り、竹樹交映るは、これ鎗矛の地なり。

 

(現代語訳)

地勢を巧みに活用すれば、作戦を有利に展開することができる。戦場の地形を知らずに戦っても、勝つことができない。そんな将軍はいまだかつて存在しなかった。知性に応じた戦い方は次の通り。

  • 山林丘陵、高原や大川の河原は歩兵の戦いに適している。
  • 山麓地帯で、つる草が密生している地は、車騎の戦いに適している。
  • 山を背にして谷に近く、高林深谷を控えている地は弓弩の戦いに適している。
  • 草のまばらな平坦地で、自由自在に動き回れる地は長戟の戦いに適している。
  • 葦やよしが生え、竹藪が点在している湿地帯は、鎗矛の戦いに適している。

 

(解説)

立地といったものが、店舗ビジネスには非常に重要になる。それ故、人通りの多い所、駅近等の家賃は、みんな競い合って獲得しようとするから必然的に高くなる。家賃を広告宣伝費と考えると、高くても余りあるという考え方は成り立つ。

 

会社行きついでに、外出先から会社へ戻るときに、会社帰りにふらっと、といったついで来店、寄り道来店であれば、人通りは意識せざるを得ない。駅から住宅地へのルート上にあれば、ふらり来店も大いに期待できる。こういう店構えであれば、自店の看板等の視認性が高ければ問題がないだろう。人は用がないときには周りをじろじろ見ないで前だけを向いているものだ。特にごちゃごちゃした商店街に店を構えていると自店の看板が周囲に埋もれてしまうこともある。

 

逆に、人通りを避けて裏通りに店を構えることもある。こういうときには、隠れ家的なコンセプトの店がふさわしくなる。知っている人だけが来てくれればいいという細々タイプもあるが、このような店では、目的来店という集客の考え方必要になってくる。家賃をかけない分、その他の広告宣伝費をかけることになる。時には人通りの多いところで誘導看板を設置する必要もあるかもしれない。

 

立地によって、コンセプトや広告戦略というものは大幅に変わる。何がふさわしいかもケースバイケースになる。

 

[教訓]

〇立地によってふさわしいコンセプト、広告宣伝戦略は変わる。

 

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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