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組織を活性化させる秘訣とは

それ軍国の弊に五害有り。一に曰く、党を結びてあい連なり、賢良を毀諓す。二に曰く、その衣服を侈にし、その冠帯を異にす。三に曰く、妖術を虚誇し、神道を詭言す。四に曰く、是非を専察し、私にもって衆を動かす。五に曰く、得失を伺候し、陰に敵人と結ぶ。これいわゆる姦偽悖徳なり、遠ざくべくして親しむべからず。

(現代語訳)
軍や国を内部崩壊に導くのは、次の五種類の連中である。
・徒党を組み、能力のある者を誹謗する。
・目立つ華美な衣服を着用する。
・できもしない妖術を口にして、神がかりな言動を弄する。
・公的な規律を無視して、自分勝手な判断で民衆を扇動する。
・損得を考え、敵と通謀する。
以上のような五種類の人間は、低劣で信用ならぬ連中であるから、将軍はこのような連中を近づけてはならない。

(解説)
組織の活力が衰えたり、崩壊するようなときは、内部要因に基づく場合が多い。確かに競合他社の攻勢で、自社の売り上げが落ちる場合はあるが、永遠に落ちることはない。そのような場合、通常は対抗策を考えて行動するだろう。そうしたことをしないとき、それはチーム力が弱まっていることに起因する。

さて、組織の活力を活性化させるために最低限必要なことは、ルールの徹底化と社内モラルの向上である。上記の軍や国を内部崩壊させる五種類の連中とは、華美な衣服の着用禁止は服装規程、敵と通謀するとは情報漏洩等の情報管理規程等の社内規則で示せないこともないが、モラルの向上で対応するべき事柄である。

モラルの向上については、モラル推進委員会でも作ればいいという単純なものではない。モラルが低下しているときは、従業員に日ごろから、不平、不満、改善すべき点があるはずだ、推進委員会を構築したら、まずそういった従業員の言葉を吸い上げて、現場のリーダークラスが意見を交わして、共通の認識を持つべき必要がある。問題が見つかれば、それを改善するための方策を考え、目標を立てる。モラルはとくに職場の風土や集団規範であるから、みんなで決めて、みんなで守るという考え方が必要となる。

[教訓]
〇組織を活性化させるベースはモラルの向上だ。
〇モラルが低下しているときは、必ずと言っていいほど、従業員に不平・不満がある。それを吸い上げる組織(モラル改善委員会)を設置せよ。
〇モラルはみんなで決めて、みんなで守るという考えが必要。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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