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適切な競合分析の仕方とは

古のよく兵を用いる者は、その能を揣りてその勝負を料る。主は孰れか聖なる。将は孰れか賢なる。吏は孰れか能なる。糧餉は孰れか豊かなる。士卒は孰れか錬れたる。軍容は孰れか整いたる。戒馬は孰れか逸なる。形勢は孰れか険なる。賓客は孰れか智なる。隣国は孰れか懼れる。財貨は孰れか多き。百姓は孰れか安んじる。これに由りてこれを観れば、彊弱の形、以て決すべし。

(現代語訳)
よく兵を使いこなせる者は、自軍と相手方の戦力を比較して、勝敗の帰趨を判断した。その戦力比較は次の12項目である。
(1) 君主はどちらが優れているか。
(2) 将軍はどちらが賢いか。
(3) 官吏はどちらが有能か。
(4) 兵量はどちらが豊富か。
(5) 兵卒はどちらが熟練しているか。
(6) 軍容はどちらが堂々としているか。
(7) 軍馬はどちらが優れているか。
(8) 地形はどちらが有利か。
(9) 幕僚はどちらが有能か。
(10) 隣国はどちらを畏れているか。
(11) 財政はどちらが豊かか。
(12) 人民の生活はどちらが安定しているか。

(解説)
競合他社の商品やサービスと自社のそれをきちんとリスト化してチェックしているか。そういうこともせずに、自社製品を絶対化して、ほとんどマーケティングをせずに製造して販売しようとして、広告宣伝費をかけたが、まるで売れず在庫の山ということはよくある。

中には、その商品しかこの世にないというものもあるかもしれないが、一度も類似商品を買ったことも試したこともない消費者が、自社製品を購入してくれることはほぼあり得ない。だから、まず潜在顧客は他社製品と自社製品を比較するところから始める。

消費者は基本的には価格が安いか、あるいは手頃か、他社製品にない強みはどこか、自分が買ったらどんなメリットがあるのかというところを見てくる。だから常に他社と比較で自社の強みがわかるような宣伝をしなければならない。そのため、常に比較から始まるのである。

[教訓]
〇他社製品との比較をして、自社製品のメリットをわかりやすく伝えよ。
〇競合他社の製品との要因と比較分析のためのリスト化を行え。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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