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リーダーの資質とは

それ将たるの道に八弊あり、一に曰く、貪にして厭くなし。二に曰く、賢を妬み能を嫉む。算に曰く、讒を信じ佞を好む。四に曰く、彼を料りて自ら料らず、呉に曰く、猶予して自ら決せず、禄に曰く、酒色に荒淫す。七に曰く、姦詐にして心怯なり。八に曰く、狡言にして礼をもってせず。

(現代語訳)
将軍の欠格事項は次の通りである。
(a) 貪欲で飽くことを知らない。
(b) 有能な人物を嫉妬する。
(c) 讒言に耳を傾け、諂ってくるものと近づく。
(d) 敵を知るが自らのことはわかっていない。
(e) 決断力がない。
(f) 酒におぼれる。
(g) 詐術を用い、臆病者
(h) 口先だけで態度がなっていない。

(解説)
リーダーがしてはいけないことがある。まず貪欲であってはならない。貪欲とは自己の欲するものに執着して飽くことを知らないこと。非常に欲の深いこと。仏教では三毒・十悪の一つとされている。欲が深くなると、より儲けようとして、従業員をこき使い、あるいは使い捨てにし、顧客からは不当にむさぼり、自分の役員報酬は限りなく上げる。会社をわがものにして、借金をして、自分の好きなことに使う。その末路は知れている。

有能な人物を嫉妬して、むしろその人物が失敗することを喜ぶ。リーダーであれば、その有能な人物を称賛して、それに近づきたい、あるいは追い越してやるぜ、という気概が必要だ。敵失を望む人間に未来はない。

讒言とは、他人をおとしいれるため、ありもしない事を目上の人に告げ、その人を悪く言うこと。昔では、良く行われていて、最悪、優秀な人物が君主から処刑されてしまうことも起こった。こういうことを信用してしまって、物事の真実を見られなくなった時点でリーダーは終わる。ある人の悪口を聞いても、証拠がない限りは疑ってすらもならない。

リーダーの中には、競合他社の分析だけは立派にしていて、自分の事はまるで分っていない奴もいる。競合他社の分析をするだけましだが、自分や自分たちの実力を把握することも大切。

決断力がないというのはリーダーとしてあり得ない。意思決定をするのがリーダーとしての務めだ、優柔不断であってはならない。選択肢があったらどちらかに決めて、その決断に後悔はしてはならない。

人を騙すなんてことはあってはならない。詐欺なんて言うと地面師とかブローカーの十八番だが、彼らはそもそもリーダーではない。だからと言って違法行為は許されない。詐欺をしなければならないのは、その人間自体の能力、あるいはビジネスモデルが利益を出すには不足していることだから、そういう人間がビジネスをやってはならない。無能は去れ。

口先だけの奴は多い、上記では態度だが、行動が伴っていないというだけでもリーダーとしてはアウトだろう。リーダーは組織の長となる以上、有言実行あるのみだ。実行できないことはするな。約束できないこともするな。口先でモノを言うのはやめろ。無能は去れ。

[教訓]
〇リーダーは欲深ではならない。
〇リーダーは嫉妬してはならない。他人の成功を喜び、それを超えろ。
〇リーダーには決断力が求められる。
〇リーダーは詐欺や口先だけではならぬ。ビジネスの能力がないのであれば、去れ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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