古のよく将たる者は、人を養うが如し、難あれば、身をもってこれに先んじ、功あれば、身をもってこれを後にす。傷む者は泣きてこれを撫め、死する者は、哀しみてこれを葬り、餓えたる者は、食を棄ててこれに食らわし、寒える者は、衣を解きてこれに衣せ、智者は礼してこれを禄し、勇者は、賞してこれを勧む、将よくかくのごとしは、向かうところ必ず捷たん。
(現代語訳)
昔の優れた将軍は、部下に対して我が子を養うが如くに接した。困難があれば、自ら先頭に立って打開し、功績を上げてもそれを部下に譲った。負傷者は心からいたわって、戦没者は葬った。お腹を空かせた者には、自らの食べ物をさいて与え、寒さに凍える者にはみずから着衣を脱いで与えた。智者は礼をもって召し抱え、勇者には賞をもって、その功に報いた。将軍がこのような態度で部下に臨むなら、向かうところ敵なしである。
(解説)
上とは真逆の経営者には良く出くわす。部下はカネを払っているのだから働いて当然だ。困難は部下に任せたのだから、宜しくやっておけ、え、代表出せ?出張していないと言ってくれ。記者会見クラスになったら仕方なく対応しなきゃならねえな、はあめんどくせえ。部下の功績は俺の者、俺の功績は俺の者。だから役員報酬は俺の者。ほとんどジャイアン。
負傷者に対しては、労災になったらヤバいだろ。何てことしてくれたんだ。死んでしまったら、業務に関連した死亡事故じゃなければ、まあいいや。早く代わりの人探さなきゃな。おなかをすかせた奴(あ~数か月給料未払だ。自分で何とかしろ)。智者なんて、俺が一番頭いいに決まってるじぇねえか。法律の事を知ってるかって、そんなの弁護士に聞きゃあいいんだよ。専門家なんだし。顎で使っておけ、どうせ金払うのはこっちなんだから。会社に利益出してくれた、感謝感謝。ボーナスには会社の利益次第だね。
本当にこんな奴いるのかと思うが、もちろんこれはすべて一人の人から発されたセリフではないが、色々な人から抜粋すると上のようなことを言っていた奴がいるのだ。正直これに一つでも当てはまったら、シチュエーション次第で全てに当てはまるのではないかと思われる。当然のことながら、上のような態度をとっていた会社は今は潰れてなくなっている。あるいは個人で粘って、今日もまた、きっと同じ過ちを繰り返しているだろう。
上記のような経営者に遭ったら、時間の無駄だから、早く他のところに移るか、関わらないことが第一だ。諸葛亮が記した経営者に遭ったら、死ぬまでついて行け、絶対に時間の無駄にはならない。
[教訓]
〇リーダーはスタッフを我が子を育てるように扱え。
〇リーダーの功績はスタッフのもの。
〇スタッフが困っていたら、手を差し伸べろ。但し甘やかしてはいけない。
〇優れた人物は礼をもって迎え入れろ。礼をもって普段から接しろ。